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やさしい日本語指導 日本語教育能力検定試験の改定について ****************************
この10月11日、日本語教育学会で標記の発表があった。 試験の目的は次のように変わる。
『日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象として、日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているかどうか、状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定することを目的とする。』
現行の目的は『日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象として、その知識及び能力が日本語教育の専門家として必要とされる基礎的水準に達しているかどうかを検定することを目的とする。』となっている。
つまり、「その知識及び能力が日本語教育の専門家として必要とされる基礎的水準に達しているか」が「日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているか」と「状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているか」の2点にわけられる。もっと簡潔に言えば「日本語教育の専門家」という抽象的なことばから、「日本語教育の実践につながる体系的な知識+状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力」という具体的なことばに変わった。 出題区分は変わらないが、試験の構成は次の通りである。
(試験T)原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
(試験U)試験Tで求められる「基礎的な知識」及び試験Vで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定する。
(試験V)原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。 各区分ごとに求められる知識・能力も説明された。本稿では省略させていただく。
平成23年度からの改定だという。この検定は現職者をも対象としていることがあらためて説明された。現職者も受験したくなるような仕掛けも工夫されるのだろうか。
鈴木紳郎
2009年10月15日
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やさしい日本語指導 最近の新聞報道等から
2009年3月5日発行
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ホテル・旅館 「外国語接客なし」4割
総務省
国交省などに改善勧告
3月3日(火)付け日経夕刊,社会面14頁には標記の見出しで,「総務省は三日,外国人観光客を迎えるための環境整備に関する政策評価の結果を公表した。外国人が宿泊したホテル・旅館の約四割が外国語で接客をしていないほか,主要空港での入国審査の待ち時間短縮が不徹底などの問題が判明した。同省は国土交通省や法務省に,必要な措置を講じるよう改善勧告した。」とし,「2007年に外国人が宿泊した千五百六十の旅館・ホテルのうち,
外国語による接客をしたのは,59%。外国語での接客を「行う予定」「行っていないし,予定もない」が合わせて40%だったとしている。外国語を使った案内表示や情報提供がない施設も41%に上った。」とあるが,これでは昨年発足した,国土交通省の観光庁が「2010年までに訪日外国人旅行者数1,000万人実現」を叫んでも,総務省ならずともやきもきせざるを得ない実情である。このメルマガの読者は先刻ご存じであるが,訪日外国人の使う言語は,1位に韓国語,2位に中国語(繁体字)・台湾語,3位が中国語(簡体字)4位広東語で,5位に英語が来る。従ってこれからの観光分野の外国語は世界の旅行公用語としての英語はもちろんだが,東アジアの韓国語と中国語も必要であろう。しかし,それらの接遇外国語は外交交渉用語ではなく,ホスピタリティ・マインド溢れる,やさしい会話力中心で充分である。既に国交省観光庁では簡単な接遇外国語会話と各国の対日観などまとめた良い本も出版している。
英国の人気旅行雑誌「ワンダーラスト」が満足度の高い観光地ランキングを
発表―日本が第1位に!
日本政府観光局(JNTO)海外プロモーション部の報道発表によると,「英国の人気旅行雑誌「ワンダーラスト(Wanderlust)」がこのほど満足度の高い観光地ランキング『トラベル・アワード(Travel
Award)』を発表し,国別部門の 第1位に日本が,都市別部門の第2位に京都がそれぞれ選出された。今回日本は97.42%という高い満足度で,2位のナミビア,3位のニュージーランドを押さえての初の1位に輝き,2月5日に授賞式が行われた。」とあるが,どうも国内では総務省が改善勧告を出したのに比べ,海外での評価は高いようである。
2009年3月5日 椎名 和男 |
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やさしい日本語指導 戦後日本語教育史-その2 国際学友会-1
2009年2月19日発行
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1945年8月,日本の終戦と国際学友会日本語学校
1935(昭和10)年,主に東南アジア各地(当時,アジアの独立国はタイのみ)の留学生補導,援助機関として政府の協力により設立された国際学友会は1940(昭和15)年には財団法人となった。なお,これに先立ち,1918(大正7)年には明治,大正,昭和初期を通じて圧倒的多数の中国人留学生対象に政府は同種の先発団体として,日華協会を設立している。これら団体設立に至る経緯については,アジアを巡る国際情勢と留学生政策・日本語教育史を含むので,詳細は「戦前日本語教育史」に譲りたい。
日本の終戦時,国際学友会は,留学生対象の各種学校としての日本語学校も経営していた。『国際学友会五十年史』(1986年同会刊)の1945年の記述は,「8月終戦にともない,所管が大東亜省から外務省に移管され,国際学友会本部はアメリカンスクール・イン・ジャパンであったが,連合国の進駐にともない,10月20日本部事務所を東京都渋谷区原町1番地に移転した。」とある。さらに,「国際学友会日本語学校廃校」の項には,「12月15日,在校生0となり,外務省の外国人留学生補導団体統合方針に沿い廃校とした。」とある。続いて,「満,蒙,中国留学生関係3補導団体の解散によりその団体事務および関係留学生の補導を本会に移譲」の項には「1月31日,
外国人留学生補導団体統合方針により,満州国留日学生補導協会,日華協 会,および善隣協会の団体事務および学生を本会が引き継ぐこととなった。」と淡々と書かれているが,日本全国に散らばっていた関係留学生は564名であり,寮舎数22か所を数えていた。翌1946年9月の留学生数は南方特別留学生7か国84名を含み,11か国580名となり,終戦後のインフレと物資不足の中,母国が独立戦争を戦っており,帰国できないインドネシアからの留学生なども抱え,国際学友会の教職員自身,満足な給与も食料もない中,その苦労は筆舌に尽くしがたいものがあり,その辺の事情は金澤謹著『思い出すことなど』(1973年国際学友会刊)に生々しく書かれている。 戦後,1950年の朝鮮戦争の勃発と警察予備隊(現自衛隊)の創設と刻々と変化する国際情勢の中,51年には対日講和条約もサンフランシスコで調印され,このころになり,日本留学希望者も増えはじめ,国際学友会は同年6月に,日本語教育部を設置し,日本語学校再開に備えた。(続く)
椎名 和男 禁転載
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やさしい日本語指導 戦後日本語教育史-その2 国際学友会-2
2009年2月27日発行
***************************** 1951年,講和条約対日講和条約調印と国際学友会日本語学校再開へ
戦後,1950年の朝鮮戦争の勃発と警察予備隊(現自衛隊)の創設など,刻々と変化するアジア情勢の中,国際学友会は終戦の年に閉鎖した日本語学校を再開する方向で,51年6月には日本語教育部を設置し,タイから帰国していた,鈴木忍(1914〜1979)を呼び寄せた。鈴木は36年以来,国際学友会の日本語教室で日本語教育に従事していたが,41年6月外務省文化事業部からタイ国バンコック日本語学校に日本語講師として派遣され,後に同校校長となった。43年,タイ国と日本の間に文化協定が締結され,(財)日・タイ文化協会設立に伴い,同協会在バンコック日本文化会館日本語教務主任も兼任した。終戦後の46年に帰国しその後は出版社などに勤めていた,鈴木は翌52年1月から日本語教育部長兼日本語教育主任となった。対日講和条約発効に伴い52年4月からは外務省補助金も復活し,53年にはインドネシアからの技術研修生60名も来日し,日本語教室も柏木寮(現(独)日本学生支援機構東京日本語教育センター 新宿区北新宿)に移転した。当時の国際学友会日本語教室に就職した,阪田雪子によると,52年の9月,東京女子大時代の恩師の松村明(当時、お茶の水女子大教授)から,「戦時中勤務していた,国際学友会から先生を紹介して下さいとの依頼があったので,貴女を紹介したい。あの学校は給与等待遇がたいへん良い学校です。」との話であったが,話と現実は大違いであった。(
松村明は1940〜43年の間に出版された,アジア留学生のための国際学友会刊『日本語教科書』全七冊の編者の一人)そして,ここに戦後の留学生教育の教科書として,欧米系対象の長沼スクールの『Basic
Japanese Course』,『再訂標準日本語読本巻1〜巻5』と双璧をなす,『NIHONGO NO HANASHIKATA』(通称赤い本,54年刊),『よみかた』(59年刊),『日本語読本1〜4』(57〜62年刊,いずれも鈴木忍と阪田雪子共編)の教科書群が登場したのである。前後するが,57年6月には日本語学校校舎の新築もなり,この年の在学生数は16か国98名であった。日本語学校は58年2月には東京都の認可を得た。1960年からは5年間に渡り,インドネシア賠償留学生500名も来日し,同会日本語学校教員もコロンボ計画の日本語専門家として東南アジア各国に派遣された。国際学友会本は1950年代後半から1970年代末にかけて,東南アジア各国の日本語教育とそれら諸国からの留学生対象の教科書として広く使われ,国内外の留学生教育におおいに貢献した。
椎名 和男 禁転載
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IJECやさしい日本語指導 最近の日本語教育を巡る新聞報道 *****************************
外国人安全に暮らすために 日本語「これだけは」
文化審小委 具体案作成へ
1月28日(水)付け朝日朝刊,社会面33頁には標記の見出しで,「日本で健やかに暮らすためには,日々のどんな場面で,日本語を使ってどんなやりとりができればいいいいのか―。日本に住む外国人が増えるなか,国が,これだけは適切な応対が必要と考えられる場面の具体案をまとめようとしている。
27日の文化審議会国語分科会で構想が明らかになった。日本語教育のカリキュラムや,日本語能力を客観的に評価するための目安作りも視野に入れ,検討を続ける。」とし,「担当の日本語教育小委員会は,中国帰国者定着センター(埼玉県所沢市)や新宿日本語学校(東京都)など五つの機関から,日本語教育の実践例を聞き取り調査した。さらに,国立国語研究所日本語教育基盤情報センターの協力を得て,「生活者としての外国人」が日本語学習によって「できるようになる」ことが期待される「生活上の行為」の事例を集めて分類した。27日はこの「生活上の行為」のリストが公開された。」とあり,■日本語での対応が望まれる場面集の一部が紙面に掲載されている。
新漢字表の試案を承認
上記記事の同紙面下段に,「文部科学省の文化審議会国語分科会は27日,漢字小委員会でまとめた「新常用漢字表(仮称)」に関する試案を承認した。29日の文化審議会総会で承認されれば,3月に文化庁のホームページなどで公開して国民から意見を募る。」とあった。この試案は81年の「常用漢字表」と同じく,法令や公文書,新聞など一般の社会生活で使う漢字の目安という性格は変わらないが,総字数を現行の千九百四十五字から「銑」「錘」「勺」「匁」「脹」の五字を外し,よく使われる百九十一字を追加し,総数は二千百三十一字となる。加わるのは「奈」「阪」「岡」「熊」「媛」など県名や「挨」「拶」などで,さらに,音訓でも「拙(つたな)い」「育(はぐく)む」など現行表では認められていない読みを新たに採用する。日本語教育分野にも大きな影響を与えることが予想される。
2009年1月29日 椎名 和男
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やさしい日本語指導 (台湾ともワーキング・ホリデ―協定締結へ)
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台湾と合意へ ワーキングホリデ― 年内にも10番目 相互交流を促進
このような見出しで7月26日(土)日経夕刊1面に「政府は若者が海外旅行中に滞在先で就労できるワーキングホリデー制度を拡大する」との記事が載っていた。ワーキングホリデー制度とは2国間の協定に基づいて最長1年間異なった文化の中で休暇を楽しみながらその間の滞在資金を補うために付随的に就労を認める制度で,1980年オーストラリアを手始めに,ニュージーランド,カナダ,1999年には韓国,更に仏,独,英,昨年にはアイルランドとデンマークの9か国との間に協定が締結され,日本からは2万9百人余が渡航し,海外からは6千2百人余が来日している。日本人の場合は18歳から30歳まで(一部の国は18歳から25歳まで)の人でこのビザの発給は一生に一度である。
日本語教育関係者の間ではこの制度の活用により来日する韓国の若者が激増したのは周知の事実であり,この4月も韓国の李大統領と福田総理との間で,この制度の利用枠を両国が09年までに2倍,12年までに1万人に拡大することに合意している。
この協定を台湾との間に年内にも合意する見通しだと記事にある。
協定締結により来日する台湾の若者に大いに期待したいものである。
この事業の詳細は日本では厚生労働省所管の(社)ワーキング・ホリデー協会(http://www.jawhm.or.jp)に問い合わせられたい。
インドネシア看護師ら 100病院・施設受入れ 200人 きょう入国
8月7日付け日経朝刊経済2面に,「外国人労働力 EPA 初事例」として,34都府県の百機関・施設が受入れを決め,2百人が本日インドネシアから来日したと報じている。日本語の研修は6か月間,海外技術者研修協会(AOTS)と国際交流基金(関西国際センター)等6か所の日本語研修施設で行い,合計855時間(@【日本語研修】基本的な日本語を使った就労を可能にする日本語習得A【日本の生活習慣・職場適応研修】B【看護導入研修】を実施する。6か月後の病院・施設での就労時の日本語研修には34都府県の百機関・施設に近い日本語教育機関に期待されており,この研修については次回メルマガで詳細お知らせする。この事業は厚労省所管の(社)国際厚生事業団 URL:http://www.jicwels.or.jp が実施するものである。
平成20(2008)年8月7日
椎名和男 |
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やさしい日本語指導 留学生を原発技術者に
企業と大学が連携 *******************************
原油価格高騰の影響か アジア人財資金構想の一環として
留学費用は国が助成して,原発技術者を養成
7月13日(日)付け日経朝刊,企業面に「留学生を原発技術者に 東芝や三菱重 東海大と育成事業」との見出しで,「東芝,三菱重工,日立製作所など原子力発電関連企業は東海大学と共同で,アジアからの留学生を原発の技術者として育成する事業を始める。」とし,「今回の事業は東海大学が企画・立案し,経済産業省と文部科学省が進める「アジア人財資金構想」の一環として留学費用は国が助成する。」と伝え,「人材育成事業は今秋から始め,ベトナムやインドネシア,モンゴルなどで大卒者を募り,まず5人程度を日本に招き,約2年間,東海大学大学院で,原発の設計や安全管理などの専門講義を受け,企業の現場で就業体験する。東芝などの原発機器メーカーや商社が参加し,研修資料を提供したり講師を派遣したりする予定で,電力会社も施設見学などで協力するとし,留学生が修士課程を修了した後に,本人と企業の要望を確認して就職先を決める。」とある。なお,東海大学には1956年に原子力関連学科を設け,既に3千5百人以上の卒業生を送り出しているという。
福田首相の提唱する,「留学生30万人計画」のかけ声で,日本語教育関係機関は,どこも定員増に走り出しているようであるが,中国政府やベトナム政府などアジアの各国政府の日本留学計画も,今回の「原発技術者養成計画のように,それぞれの母国の大学学部や大学院で,専門分野の基礎学力を持つ留学生が対象となっている。
外国人雇用 知恵絞る欧米 英,「ポイント制」で入国審査 受け入れ
7月13日(日)付け日経朝刊には,「人手不足は先進国共通の悩み。海外から優秀な人材を呼び込むために,各国政府や企業は知恵を絞る。」と英国政府の「ポイント制」の紹介をしている。「ポイントは学歴,保有資格,英語能力,年収などに応じて加算される仕組みであるという。日本政府も専門的・技術的分野の外国人労働者は積極的に受入れるとしながらも,インドネシアからの看護師に3年以内の日本の看護師国家試験合格を条件としているように,医療専門日本語力が大きな問題となっている。
椎名 和男
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| 2008年7月15日更新 |
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やさしい日本語指導 最近の日本語教育をめぐる新聞報道
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政府 政策として,留学・就学生を一本化
3月20日(木)付け朝日朝刊,社会面には「留学・就学生を一本化
政府方針30万人実現へ転換」の見出しで,福田首相が1月の施政方針演説で打ち出した「留学生30万人計画」の実現に向け,留学生を増やす狙いもありそうだとあり,更に,法務省の田村明入国在留課長も「検討している」と述べたとしている。特に(財)日本語教育振興協会関係日本語学校関係者からも,ビザや学割やアルバイト時間や,奨学金の差別など留学・就学生を一本化が強く望まれていただけに朗報である。
また ,(財)日本語教育振興協会からは平成20年3月付「平成19年度 日本語教育機関実態調査 結果報告」(平成19年7月1日全国373機関(回答率98.4%)からのデーターに基づく)が発表された。機関数373(378), 収容定員68,648(68,856) 在籍者数31,663(30,607) 在籍者数は1,056人と微増した。しかし,中国からは前年全在籍者数の52,5%だったものが,約270人減で49.9%となった。韓国からは約3%の1,175人増である。注:(内は前年度数) 留学生でも,中国からは対前年比3千人減である。
フィリピン人看護師・介護士 09年度以降に受け入れ延期
厚労省方針 労働市場開放,停滞も EPA批准相手遅れ
日経新聞3月21日(金)経済面に,上記の見出しで,「厚生労働省は2008年度に予定していたフィリピン人看護師・介護福祉士の受入を09年度以降に延期する方針を固めた。日比政府が06年9月に署名した経済連携協定(EPA) には看護師・介護士の受け入れが盛り込まれたが,アロヨ政権の動揺などで比での発効のめどが立たないためだ。一方,インドネシアからの受け入れは日本のねじれ国会の影響で黄信号がともっており,日本の労働市場の解放に足踏みの懸念が出てきた。」とある。当初,協定が発効すれば2年間で1千人の受け入れ計画であったが,日本語教育関係者からは,現職や有資格の看護師・介護士で,入国後6か月の日本語研修のみで病院や介護施設で助手として働きながら勉強し,看護師3年,介護士4年で日本の国家試験に合格しなければ帰国しなければならない点等が大きな懸念とされている。
椎名 和男
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| 2008年3月27日更新 |
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やさしい日本語指導 中国とベトナムからの院生受け入れ
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ベトナム1000人「博士養成計画」ODAで院生受け入へ
3月1日(土)付け朝日夕刊,第一面に「政府は来年度から2020年度にかけて,開発途上国援助(ODA)を使ってベトナムの若者1千人以上を日本の大学院に入学させ,博士を養成するプロジェクトを始める。ベトナム戦争などの影響で高等教育を受けた人材が少ないベトナム側と,少子化が進み海外から優秀な学生の受け入れを模索する日本側が「戦略的パートナー」(外務省幹部)になろうという試みだ。日本はこれまでにタイ,マレーシア,インドネシアの学生約3千人を対象に留学生受入のための円借款を実施しているが,博士課程のみを対象にした枠組みは初めて。グエン・ティエン・ニヤン副首相兼教育訓練相が3月下旬に来日する際に正式に合意する予定だ。外務省などによると,ベトナムが求めているのは主に理系の分野で,情報技術(IT),機械工学,素材,ナノテクなどの先端技術をはじめ,全般にわたる。ベトナムから国費で受け入れている博士課程の留学生は現在年に25人程度だが,この枠を来年度から徐々に拡大し,3年後をめどに大規模な受入を目指す。受け入れに前向きな大学院は東京,京都,早稲田,慶應,立命館,長岡技術科学など。日本側は200億円以上の費用が必要とみられる。(中略)日本側としては優秀な若者を日本で育て,両国関係を深めたい思惑がある。資金や人材の流れを拡大し成長につなげる「グローバル戦略」を掲げる福田首相は,07年度は約12万人の日本への留学生を30万人にする方針を示している。
(塚本和人)」
今年,中国からも先端技術分野の大学院へ国費留学生5000人
更に,早稲田大学の大学院関係者からの情報によると,中国政府も今年から,日本の先端技術分野の大学院へ中国国費留学生5000人を派遣することを決定し,早大大学院は既に百名の受け入れを決定したとのことである。この新聞記事や情報は留学生政策史の一研究者としての,私には幾多の感懐を禁じえない。特にベトナムではフアン・ボイ・チャウの提唱した,東遊運動が二十世紀初頭,あれから一世紀を待たなければ, フアン・ボイ・チャウの想いは叶わなかったのであろうか。
椎名 和男
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| 2008年3月6日更新 |
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やさしい日本語指導 国内の日本語教育の動向
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日本への短期留学 最多, 前年比12%増 中国減り韓国増加
12月15日(土)日経夕刊に,日本学生支援機構が前日発表した,「平成19年度外国人留学生在籍状況調査結果」に基づく上記の見出しの記事が掲載された。この調査は平成15年度まで文科省が実施していたが,平成16年4月に独立行政法人日本学生支援機構の設立に伴い,移管された,調査である。
この調査でいう,「留学生」とはいわゆる「留学ビザ」により,日本の大学・大学院,短大,高専,専修学校(専門課程),及び準備教育課程において教育を受ける外国人学生をいい,「就学生ビザ」で,教育を受ける外国人学生は含まれていない。参考)(財)日本語教育振興協会認定の日本語教育機関で学ぶ,外国人学生は平成18年現在,30,607人である。(同協会発表による)但し,同協会認定の日本語教育機関には専修学校(専門課程),及び準備教育課程もあるので就学生だけでなく留学生も含まれている。また,「短期留学」とは,必ずしも日本での学位取得を目的とせず,大学等における学習,異文化体験,語学の実地習得などを目的として,おおむね一学年以内の教育を受けて単位を修得または研究指導を受ける留学生をいう。
中国からの大学院留学生は増加傾向だが,学部留学生は減少が続く
平成19年5月1日現在の留学生総数は118.498人(対前年比571人増)で,うち短期留学生が,8,368人(対前年比945人増)であり,確かにこの数だけ見れば,増加である。実は「在学段階留学生数」の項では,大学院こそ31,592(対前年比682人増)だが,大学(学部)・短大・高専は62,159(1,278人減)で,「出身国・地域別留学生数上位5位」の項には,第一位中国の71,277(対前年比3,015人減)第二位韓国17,274(1,300人増)第三位台湾(475人増)第四位ベトナム(463人増)第五位マレーシア(10人減)で,平成18年度も中国からの留学生総数が6千人減少しており,本年度は三千人の減少である。この傾向は日本語教育振興協会の「平成18年度 日本語教育機関実態調査 結果報告」によれば,平成15年度の31,669人をピークに,16年度23,482人,17年度11,986人と減少したが,18年度は16,067人と増加したものの,中国での高等機関数と入学定員増を考えると,楽観視は出来ない。また,日本語教育機関修了者の進路調査によると,平成17年度の72.4%(19,649人)
をピ−クに18年度67.14%(11,835人)と減少し,進学先は専修学校
(専門課程)が51.6%と大学学部37.1%である。
この種データにはないが,文科省の発表によると,在日外国人の子弟で,学齢期の児童・生徒が二万二千おり,これらの人々への日本語教育も喫緊の急務である。
椎名 和男
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