■『蒼茫』 石川達三著

労働力不足を補うために移民を入れた例は多い。
新大陸アメリカは,当初主としてアフリカ大陸から奴隷を導入した。19世紀後半,南北戦争が終わり(1865年),奴隷制を廃して移民の導入を始めた。日本からアメリカへの移民は1868年(明治元年)からである。ブラジルは1822年に独立し,1889年に共和制に移行し,奴隷制を廃した。
貧しかった日本から新天地を夢見て移民した人は多い。いま,ブラジルには150万人余の日系人が生活している。
本書は,1930年(昭和5年)のブラジルへの移民を描いて,第1回芥川賞に選ばれた。
故郷を捨て,希望とともに不安を抱きながら生きていく民衆を描いている。

いま,豊かになった日本は少子高齢化による労働力不足に陥っている。
外国人の力で補おうとしているのだろうか。

  • 単行本: 288ページ
  • 出版社: 秋田魁新報社 (2014/6/27)
  • 言語: 日本語
  • 価格: 1500円+税
  • ISBN-13: 978-4870203563
  • 発売日: 2014/6/27
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