■『鉄砲を捨てた日本人-日本史に学ぶ軍縮』ノエル・プリン著(中公文庫) 

鉄砲が種子島に伝来したのが1543年。またたく間に戦国の世に広まっていった。1575年,織田信長は長篠の戦いで鉄砲を武器にして武田軍を征した。
16世紀後半は日本の鉄砲生産量は西洋をしのいでいた。1584年,小牧長久手の戦いで秀吉vs家康が膠着状態に陥ったのは,鉄砲という当時の大量破壊兵器のためだという。20世紀後半,東西冷戦も似たような事態だったのかもしれない。
秀吉の刀狩(鉄砲含む)のためか,1637年の島原の乱を境にして鉄砲の製造や技術開発は遠のいていく。再び日本が武器の製造に力を入れ始めたのは1853年の黒船来航からである。
日本では,200年以上も軍縮の時代が続いたのである。

  • 出版社: 中央公論社
  • 著者:ノエル・プリン
  • 訳者:川勝平太
  • 言語: 日本語
  • 価格: 590円+税
  • ISBN-13: 978-4122018006
  • 発売日: 1991/04
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