■『特攻基地の少年兵 -海軍通信兵15歳の戦争-』 千坂精一

著者は昭和5年(1930年)1月生まれ。予科練から通信兵に進んで15歳で終戦を迎えた。その時の記録を必死に書き残したように思える。国ぐるみで戦争に突き進んでいった社会の一部が少年の姿から映し出される。
現在でも北朝鮮は似たような状況かもしれない。見渡せば反トランプの動きが見えるアメリカ社会の健全さがうらやましい気がする。日本社会も,政府への批判を封じ込めるような権力とそれに加担するマスコミの状況を見ると,一抹の不安を感じる。
多数の著作を持つ著者だけに,どこまでが史実かどこから創作か不明だけれども。出版は10年以上も前だから,76歳を迎えて懸命に記述したように感じられる。先日も仲代達矢が必死に広島を語る映像を見た。特に若年層には,そうした語りに耳を傾けてもらいたい。

  • 出版社: 光人社 (2006/03)
  • 著者: 千坂精一
  • 価格: 1900円+税
  • ISBN-13: 978-4769812975
  • 発売日: 2006/03
  • 梱包サイズ: 19 x 13 x 2.4 cm
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