■『核戦争の瀬戸際で』ウィリアム・J・ペリー著 松谷基和訳

著者は黒船を率いて浦賀に来航したペリー提督の血筋。1945年,第2次大戦終了時に18歳で陸軍に入隊。翌年,来日して東京の惨状を目にした。さらに沖縄に回り人口30万の都市で20万人が死亡した事実に驚く。広島で,たった一つの原爆がもたらす悲劇を見た。
退役して大学,大学院を修了後,防衛産業に従事。クリントン政権で国防長官。
第1章キューバ危機から語られる。朝鮮戦争,冷戦時代の軍拡競争,さらにイラン,イラクなど戦後史を振り返りながら,最後に「核兵器による破滅の危険性は,冷戦時代よりも高くなっている」と語る。

訳者は福島生まれ。増加し続ける汚染水の処理をできない現実のなかで,「原爆と原発を同じ土俵で考えてほしい」と,少ない言葉で語っている。

人類は大きな負の遺産を抱えてしまった。

  • 出版社: 東京堂出版 (2018/1/11)
  • 言語: 日本語
  • 価格: 2500円+税
  • ISBN-13: 978-4490209785
  • 発売日: 2018/1/11
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