■『東京百年物語①②③』岩波文庫(3分冊)

 明治維新から高度経済成長期までの100年間に生まれた、「東京」を舞台とする文学作品を時代順に配するアンソロジー。社会制度、文化、世相・風俗などの変遷を浮かび上がらせ、「東京」という都市の時空間を再構成する。編者による解説も味わい深い。
 第1分冊 1868~1909:関兼之,北村透谷、北田薄氷,田沢稲舟,樋口一葉、川上眉山、泉鏡花、正岡子規、岡本綺堂,夏目漱石,国木田独歩,木下杢太郎,永井荷風。<解説:主題化する都市空間>
 第2分冊 1910~1940:森鴎外,谷崎潤一郎、木下杢太郎,田村俊子,芥川龍之介,志賀直哉,川端康成、室生犀星,佐藤春夫、梶井基次郎,江戸川乱歩、中野重治,堀辰雄、伊藤整,夢野久作,中原中也,岡本かの子。<解説:東京はいつも普請中>
 第3分冊 1941~1967:太宰治、壷井栄,上林暁,稲垣足穂,志賀直哉,梅崎春生,林芙美子、中野重治、安岡章太郎、森茉莉,三島由紀夫、山川方夫,内田百聞,遠藤周作,吉本隆明,吉行準之助。<解説:廃墟へのまなざし>
 日本語教育の教材としても手頃な短編集になっている。

文庫: ①352ページ,②336ページ,③368ページ
出版社: 岩波書店
編者:ロバート・キャンベル,十重田裕一,宗像和重
価格: ①810円+税,②740円+税,③810円+税
ISBN-13: ①978-4003121719,②978-4003121726,③978-4003121733
発売日: ①2018/10/17,②2018/11/17,③2018/12/15
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